2019年の世界のプロバイオティクス市場規模は488億8,000万米ドルで、2027年には944億8,000万米ドルに達すると予測されており、予測期間中に7.9%の年平均成長率(CAGR)を記録します。北米は2019年の世界シェアの16.98%を占めました。米国では、このセクターは大幅に拡大すると予想されており、2032年までに約179億9,000万米ドルに達すると推定されています。この成長は、プロバイオティクスを豊富に含む食品や免疫力を高める食品の需要増加によって促進され、その健康効果が確立されていることが反映されるでしょう。
予防医療への意識の高まりと、安全で自然派、そして健康増進効果のある製品への消費者の嗜好の高まりが、市場の成長を牽引すると予想されています。専門団体や協会による取り組みも、プロバイオティクスの普及を後押ししています。例えば、マレーシア栄養協会(NSM)は、プロバイオティクスが健康増進に果たす役割について消費者を啓蒙するため、プロバイオティクス教育プログラム(PEP)を開始しました。
情報源: https://www.fortunebusinessinsights.com/industry-reports/probiotics-market-100083
COVID-19の流行下で免疫力を高める製品の需要が増加
COVID-19パンデミックは短期的にはサプライチェーンと世界経済に混乱をもたらした一方で、免疫力向上や機能性食品への需要も加速させました。消化促進作用と免疫力向上作用で知られるプロバイオティクスは、この時期に関心が急上昇し、この傾向は今後も続くと予想されています。例えば、2020年4月には、世界有数のプロバイオティクス企業であるProbi社が、消費者が免疫力を高める製品を求める中で、需要が急増したと報告しました。
レポートの範囲
本レポートは、プロバイオティクス市場の詳細な評価を提供し、成長要因、課題、機会、そして制約を網羅しています。また、地域動向、業界動向、主要プレーヤーの戦略も分析しています。さらに、2020年から2027年にかけての製品発売、合併、買収、提携といった主要な動きについても焦点を当てています。
主要な成長ドライバー
世界保健機関(WHO)によると、世界の肥満率は1975年以降ほぼ3倍に増加しており、糖尿病などの関連する慢性疾患も増加しています。こうした変化により、消費者はより健康的な食生活や、消化器系の健康や免疫力を高めるプロバイオティクスなどの機能性食品へと移行しています。さらに、技術の進歩により、企業は消費者の意識向上と啓発活動を推進できるようになり、プロバイオティクス製品の普及がさらに加速しています。
市場セグメンテーションのハイライト
2019年、スーパーマーケットとハイパーマーケットが販売チャネルの大部分を占め、プロバイオティクスの総売上高の61.33%を占めました。幅広い製品ラインナップ、頻繁なプロモーション、そしてアクセスのしやすさから、これらの流通プラットフォームは最も人気のあるプラットフォームとなっています。
地域別インサイト
アジア太平洋地域は、腸内環境の健康に自然に良い影響を与える発酵食品や飲料の摂取という根強い伝統に支えられ、プロバイオティクス業界において依然として主要な地域となっています。北米市場は2019年に83億米ドルと評価され、慢性疾患の有病率の上昇と革新的なプロバイオティクスソリューションへの投資増加により、2020年から2027年にかけて力強い成長が見込まれています。
競争環境
主要企業は、製品開発、研究・イノベーション、そして戦略的パートナーシップに注力し、グローバルプレゼンスの向上と流通ネットワークの強化を図っています。協業、買収、そして新製品の発売は、依然として重要な成長戦略です。
市場の著名な企業:
- ダノンSA(フランス)
- ラレマンド社(カナダ)
- 株式会社ヤクルト本社(日本)
- ネスレSA(スイス)
- デュポン(ダニスコA/S)(米国)
- ハンセン牧師(デンマーク)
- ケリー社(アイルランド)
- ポスト・ホールディングス社(米国)
- ペプシコ社(米国)
- Evolve Biosystems, Inc.(米国)
最近の開発
- 2020年6月:ペンデュラム・セラピューティクスは、食後血糖値とHbA1c値を下げるよう処方された、臨床試験済みの医療用プロバイオティクス「ペンデュラム・グルコース・コントロール」を発売しました。これは、代謝の健康管理のためのプロバイオティクスにおける画期的なイノベーションとなりました。