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食品酵素市場の動向、規模、シェア、2032年までの予測

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世界の食品酵素市場は2019年に16億9,000万米ドルと評価され、2032年には約32億4,000万米ドルに達すると予測されており、予測期間中の年平均成長率(CAGR)は5.34%です。米国では、市場は大幅に拡大し、2032年には約8億3,988万米ドルに達すると予測されています。この成長は、加工食品の消費量の増加と、革新的な酵素ベースのソリューションの着実な開発に大きく牽引されています。北米は2019年に市場をリードし、全体の36.6%のシェアを獲得しました。

食品・飲料業界における酵素の使用は、製品の品質向上における多機能性から、急速に増加しています。消費者のクリーンラベル製品への嗜好、天然成分への移行、バイオテクノロジーの進歩といった要因が、世界的な市場拡大の主因となっています。

国際通貨基金(IMF)によると、世界経済は2020年に3.0%縮小し、2019年の2.9%成長から大幅に縮小しました。これは主にCOVID-19パンデミックの影響によるものです。この間、ネスレ、ユニリーバ、オラム、ペプシコといった大手食品企業は、NGO、農業コミュニティ、研究機関と協力し、食料システムのレジリエンス強化に取り組んできました。しかし、東南アジア全域で実施された制限的な貿易措置によりサプライチェーンが混乱し、食品原料・添加物業界に8~10%の影響が及んだと推定されています。食品酵素の短期的な需要は減少したものの、市場は予測期間中に着実に回復すると予想されています。

情報源:  https://www.fortunebusinessinsights.com/food-enzymes-market-102835 

市場洞察

本レポートは、市場の包括的な評価を提供し、市場の動向を形作る推進要因、制約要因、課題、そして機会を概説しています。さらに、主要国における定性的および定量的な分析に基づいた地域分析も提供しています。競争環境についても詳細に分析し、主要企業が採用している買収、合併、提携、合弁事業といった戦略に焦点を当てています。

市場の推進要因と制約

クリーンラベル製品への好感度の高まり

欧州食品安全機関(EFSA)は、食品に含まれる合成化学物質への長期曝露に伴う潜在的な健康リスクを強調しています。こうしたリスクに対する消費者の意識の高まりにより、自然加工されたクリーンラベルの代替品への需要が加速しており、食品酵素にとって大きなビジネスチャンスが生まれています。例えば、2019年10月には、米国に拠点を置くTiny Organicsが、ココナッツカレー、パンプキンスパイスオートミール、ベビーブリトーボウルなどのオーガニック植物由来の幼児向け食品を発売しました。

地域概要

北米:加工食品の需要増加に支えられ市場リーダーに

北米は、天然素材や高品質の加工食品に対する消費者の強い需要に支えられ、市場における主導的な地位を維持すると予想されます。食品メーカーによる高度な酵素技術への投資の増加は、この地域の成長をさらに促進するでしょう。一方、アジア太平洋地域は、特にベーカリー製品と乳製品の需要増加により、着実な成長が見込まれます。

競争環境

パートナーシップが市場の成長を牽引

2019年11月、DSMとカーギルは合弁会社「Avansya」を設立し、ネブラスカ州に約5,000万米ドルを投資して、発酵法を用いたステビア甘味料の大規模工場を建設しました。この提携は、消費者の嗜好の変化に対応するための協業、イノベーション、そして製品の多様化という業界全体のトレンドを象徴するものです。

食品酵素市場の主要プレーヤー

  • ノボザイムズ(デンマーク)
  • デュポン(米国)
  • ホフマン・ラ・ロシュ社(スイス)
  • ABエンザイムズ(ドイツ)
  • Koninklijke DSM NV (オランダ)
  • Chr. Hansen Holding A/S(デンマーク)
  • BASF SE(ドイツ)
  • ニュートリテック酵素(フィンランド)
  • 天野エンザイムズ株式会社(中国)
  • バイオ触媒(英国)

最近の動向

  • 2019 年 3 月: AB Enzymes は、ヒマワリ、大豆、キャノーラなどの種子から油を抽出する際の化学物質への依存を最小限に抑え、同時に効率と収量を向上させるように設計された新しい酵素 ROHALASE を導入しました。

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