世界のエビ市場は2023年に403億5,000万米ドルと評価され、2024年の429億米ドルから2032年には742億4,000万米ドルに成長すると予測されています。これは、予測期間(2024~2032年)における年平均成長率(CAGR)7.09%を反映しています。2023年にはアジア太平洋地域が市場を牽引し、シェア全体の38.22%を占めました。米国では、タンパク質源としての魚介類の人気が高まり、フレキシタリアンダイエットの普及が進む中、エビ市場は2032年までに約121億米ドルに達すると予測されています。
COVID-19パンデミックは世界のエビ産業に大きな影響を与え、2017年から2019年の平均年間成長率と比較して、2020年の成長率は16.46%減少しました。この後退にもかかわらず、水産物の需要が回復したため、市場はパンデミック前の水準まで回復しました。
水産物生産における技術の進歩と革新、そして商業用エビ養殖への新規参入が、市場の成長を牽引すると予想されています。さらに、持続可能性への懸念と水産物サプライチェーンの改善が業界を変革し、漁獲とマーケティングの実践に新たな機会をもたらしています。
アジア太平洋地域は依然として世界最大のエビ生産地域です。しかし、2020年には、新型コロナウイルス感染症の影響により、この地域における十脚類甲殻類の生産が3か月近く遅延しました。中国、ベトナム、インド、タイなどの国々からの需要減少が、市場の成長に一時的な影響を与えました。例えば、インドでは、通常3月から4月に行われる養殖池への種まきが遅れ、作業が5月から6月に延期され、収穫も8月から9月にずれ込みました。
情報源: https://www.fortunebusinessinsights.com/shrimp-market-106303
市場動向
フレキシタリアンとペスカタリアンのライフスタイルの人気が高まっている
近年、ペスカタリアン(魚介類中心の食生活)やフレキシタリアン(食生活重視の食生活)の消費者が顕著に増加しています。フレキシタリアンは、主にビーガン食を実践しながらも、タンパク質を補うためにエビなどの持続可能な方法で調達された魚介類を摂取する傾向があります。この傾向は、特にアジア太平洋地域におけるエビの世界的な需要を押し上げており、市場規模は2022年の144.6億米ドルから2023年には154.2億米ドルに拡大すると予測されています。
抑制要因
市場の成長に影響を与える貿易紛争
米国、中国、ロシアを含む主要経済国間の継続的な貿易摩擦は、エビ市場に影響を及ぼしています。2019年、中国は米国製品に対する報復関税を発動し、年間約1,100億ドル相当の輸入に10%から25%の税率で影響を及ぼし、米国の水産物輸出に直接的な打撃を与えました。
市場セグメンテーション
- 種類別:白エビ、ピンクエビ、茶エビなど、様々な種類のエビがあります。白エビは広く消費され、地域を問わず入手可能なため、主流となっています。
- 形態別:冷凍エビは、スーパーマーケット、ハイパーマーケット、オンライン小売プラットフォームでの入手可能性により、最大の市場シェアを占めています。
- エンドユーザー別:レストランでの魚介類の消費量の増加と一人当たりの所得の増加に支えられ、商業部門がリードしています。
- 流通チャネル別:従来型の店舗からオンライン チャネルへの移行が市場の成長を刺激しており、専門店が引き続き売上の大部分を占めています。
地域別インサイト
養殖産業は過去10年間で大幅に拡大し、天然漁業の衰退に伴い高まる世界的なタンパク質需要を満たす持続可能な解決策を提供しています。エビ養殖は年間数十億ドル規模の生産高を誇る高付加価値産業であり、継続的な人口増加が世界のエビ需要を押し上げています。
- アジア太平洋地域:市場を支配し、2020年に107億4,000万米ドルの収益を生み出し、水産養殖部門の活況により堅調な成長を維持すると予想されています。
- 北米:ブラウンシュリンプや大型十脚類の需要に牽引され、着実に成長すると予想されます。
- ヨーロッパ:他の魚介類との競争により成長は鈍化していますが、需要は安定しています。
- 南米:エクアドルが主要な生産拠点となり、市場は安定した成長を維持すると予測されています。
主要企業
- アクアスター社(米国)
- Avanti Feeds Ltd.(インド)
- クリアウォーターシーフード社(カナダ)
- ハイライナーフーズ社(カナダ)
- マリンハーベスト(ノルウェー)
- マルハニチロ株式会社(日本)
- 日本水産株式会社 (日本)
- Nordic Seafoods A/S(デンマーク)
- スラポンフーズ(タイ)
- タイユニオングループ(タイ)
最近の動向
- 2024年3月:Laitram MachineryがMartakのエビ剥皮事業を買収し、冷水エビ製品の加工能力を向上。
レポートの対象範囲
本レポートは、世界のエビ市場を、主要企業、製品タイプ、用途などを含めて詳細に分析しています。近年の市場成長に影響を与えてきた主要なトレンド、イノベーション、そして開発動向を取り上げ、業界関係者に包括的な洞察を提供します。