記事コンテンツ画像
お知らせ

農業用接種剤市場の規模、動向、成長レポート(2032年まで)

SCROLL DOWN

世界の農業用接種剤市場は、2019年に8億6,760万米ドルと評価され、2020年の9億5,670万米ドルから2032年には約33億52万米ドルに拡大すると予測されており、予測期間(2020~2032年)において年平均成長率(CAGR)10.87%を記録します。米国市場も、作物の生産性と土壌の健全性向上を目的とした革新的でカスタマイズされた接種剤の採用増加を背景に、2032年には約7億104万米ドルに達すると大幅に成長すると予測されています。2019年には北米が世界市場をリードし、37.25%のシェアを占めました。

農業用接種剤は世界的に分散した産業であるにもかかわらず、COVID-19パンデミックが農業用接種剤市場に与える影響は比較的限定的であり、他の農業投入資材セクターと比較して供給と生産は概ね安定しています。

農業用接種剤(微生物接種剤または土壌接種剤とも呼ばれる)は、生物肥料、生物農薬、植物成長促進剤などとして機能する有益な微生物で構成されています。世界中で多様な作物に広く使用されており、養分吸収、植物の回復力、土壌肥沃度を向上させることで持続可能な農業を支えています。さらに、接種剤は過剰な農薬使用による生態系への負荷を軽減する上で重要な役割を果たし、環境に配慮した栽培方法の促進にも貢献しています。

有機栽培の農産物に対する消費者の嗜好の高まりと、合成農薬や肥料の有害な影響に対する懸念の高まりは、作物接種剤の世界的な需要を牽引する主な要因の一つです。

情報源:  https://www.fortunebusinessinsights.com/industry-reports/agricultural-inoculants-market-101615 

市場の推進要因と制約

化学物質の投入による土壌劣化への懸念の高まり

化学農薬や化学肥料への過度な依存は、土壌の健全性の長期的な悪化につながっています。こうした懸念の高まりは、微生物をベースとした解決策への移行を促しています。国連食糧農業機関(FAO)によると、2018年の世界の農薬消費量は410万トンに達し、農業における化学物質への依存の大きさを浮き彫りにしています。持続可能な土壌管理の必要性は、農業用接種剤の導入を促進する大きな要因となっています。

しかし、課題は依然として残っています。接種剤の有効性に関する農家の認識の低さと、その比較的短い保存期間が、特に発展途上地域における市場への浸透を阻害し続けています。

地域別インサイト

北米:技術の進歩が市場の優位性を推進

北米は2019年も引き続き地域最大の市場であり、市場規模は2億9,420万米ドルに達しました。この地域の優位性は、主に大豆、トウモロコシ、キャノーラといった接種剤依存型作物の大規模栽培と、米国とカナダ両国における精密農業とバイオテクノロジーの急速な導入によるものです。これらの技術革新は、地域全体で農場の効率性を向上させ、製品の導入を加速させています。

南米:最も急速に成長する市場地域

南米は、農業生産性の向上と、リゾバクターをはじめとする地域企業の強力な市場プレゼンスに牽引され、調査期間中に最も高いCAGRを記録すると予測されています。アルゼンチンに本社を置くリゾバクターは、農業用接種剤の世界トップ3メーカーの一つであり、戦略的提携と製品イノベーションを通じて、特にブラジルとアルゼンチンにおいて事業展開を拡大し続けています。

競争環境

研究、イノベーション、高度な処方に注力

市場のリーディングカンパニーは、高性能な次世代接種剤製品の開発に多額の投資を行っています。例えば、2020年8月には、ラレマンド・プラントケア・カナダが、窒素固定を改善し大豆の生産性を向上させるよう設計された二重菌株接種剤「LALFIX PROYIELD LIQUID SOYBEAN」を発売しました。

市場で活動する主要企業:

  • バイエルAG(ドイツ)
  • BASF SE(ドイツ)
  • コルテバ(米国)
  • Isagro SpA(イタリア)
  • ラレマンド社(カナダ)
  • リゾバクター(アルゼンチン)
  • ストーラーグループ(米国)
  • ヴェルデシアン・ライフ・サイエンス(米国)
  • KALO(米国)
  • アドバンスト・バイオロジカル・マーケティング社(米国)
  • その他

サンプル PDF パンフレットを入手:  https://www.fortunebusinessinsights.com/enquiry/request-sample-pdf/agricultural-inoculants-market-101615 

最近の業界動向

  • 2020 年 8 月: Stoller グループの子会社である Stoller Argentina SA は、植物全体のパフォーマンスの向上を目的として、接種剤、殺菌剤、生物刺激剤を組み合わせた統合作物強化パッケージを発表しました。
  • 2019 年 4 月: バイエル AG は、2019~2020 年の植え付けシーズンに向けてブラジルで生物学的大豆接種剤 CTS 500 を発売し、ラテンアメリカの農業バイオテクノロジー市場における存在感を強化しました。

この記事をシェア